孫 悟空(そん ごくう)は、道教の神。
小説『西遊記』の主要登場キャラクターとして有名。
香港をはじめ、台湾や東南アジアでは一般に齊天大聖(せいてんたいせい)と呼ばれ、信仰されている。
別名は孫行者。
元代の『西遊記』(最古とされる)のあらすじを収録した朝鮮の書『朴通事諺解』(1677年)には孫吾空として登場する。
また、齊天大聖の登場する主な雑劇(説話)は以下のとおり。
これら先行する各種作品をうけて明代に100回本としてまとめられ集大成したものが分量が多すぎたため、清代には整理簡略された簡本のうち康熙33年(1694年)刊行の『西遊真詮』が比較的よくみられる『西遊記』である。
『西遊記』に登場する妖仙であり、今も崇拝される道教の神でもある。
『西遊記』の雑劇などの書作品での通称は猴行者、あるいは通天大聖などさまざまな名前で呼ばれているが、孫行者の名に落ち着いた。
日本でよく知られた孫悟空は諱であり避諱により当時の中国では一般には使用されない。
以下、明、清の刊本の『西遊記』に基づく概略を記す。
もともとは東勝神州は傲来国(ごうらいこく/架空の国)の沖合にうかぶ火山島「花果山」に生まれた。
島に住む猿たちの王として美猴王(びこうおう)を名乗っていたが、ある時、限りある命にはかなさを感じたことから不老不死の術を求めて西午賀洲に住む須菩提祖師という仙人のもとに弟子入りし、孫悟空の名前ときんと雲の術をはじめとする72変化の術を習得した。
花果山に帰郷後、海中の東海竜王敖廣の龍宮対岸の傲来国から大量の武器を強奪し、地獄の閻魔帳から自分の名を消し、配下の猿を軍隊にまとめ上げた。
さらに自ら齊天大聖(「天にもひとしい大聖人」の意)を称し牛魔王をはじめ7大魔王の妖仙と義兄弟となったなどから天界から危険視され、懐柔のため天界の官吏として天に召されることになった。
悟空は、合計2度、天界に召されている。最初に天に召された際には官職が低いといって天界を脱走したため、二度目は悟空の希望通り新官職として「齊天大聖」が創設され、正式に任命された。
もともと齊天大聖は職務のない名目だけの官職だったが、のちに蟠桃園の管理を任されることになった。
しかし管理を怠け、さらに栽培されている仙桃を食べ尽くしたため再び天界を脱走した。
今回は天界からも軍勢がだされ、なた太子や顕聖二郎真君との激しい戦闘の末に悟空は捕縛され、太上老君の八卦炉に入れられるも「銅筋鐵骨 火眼金睛」の体となり八卦炉から飛び出し暴れた末、釈迦如来によって五行山に封印されてしまった。
数百年後、観世音菩薩の救済によって三蔵法師の弟子となり、天竺まで の取経の旅をたすけた。
三蔵法師からはおもに孫行者(そんのぎょうじゃ)と呼ばれている。
何度か三蔵法師に反発して脱走も試みたり、いわれのない罪で破門されたりしているが、観世音菩薩や釈迦如来の導きもあり、結局はいつも三蔵法師のもとに戻っている。
そしてついに取経の旅に成功し、その功績によって仏となった。
なお、ここで書いたとおり孫悟空は本篇や漢詩中で、各種の名前や肩書きで呼ばれている。
ここに書いたほかにも、大聖翁、猴仔公、心猿などと呼ばれている。
出展:wikipediaより